黒鐡…77
もう一度想いを口にするのは、すごく恥ずかしかったけれど、僕は頷いて口を開いた。
「す……すき、です。僕は黒鐡さんが……好き…、」
声が少し震えていて、その事がとても恥ずかしく思えて、熱が上がる。
顔はとても熱くなっているから、きっと真っ赤になっている筈で、それが余計に恥ずかしい。
「もっと言え、鈴。何度でも口にしろ、」
御島はそう云うと僕の上に覆い被さって、首元へ顔を埋めて来た。
そこを吸われ、じっくりと舐められるとぞくぞくして、腰に甘い痺れが走る。
堪らずに御島の名を呼ぶと、相手は喉奥で笑って、僕の上衣の釦に手を掛けた。
肌を舐り、時折軽く噛んできつく吸いながら、手慣れたように釦を外してゆく御島の姿に、身体が更に熱くなる。
上衣を脱がされてズボンも下着ごと脱がされ、僕は本当に、あっという間に裸にされた。
御島はスーツの上着を脱ぎ捨てると、ネクタイを緩めて解き、薄く笑う。
「鈴…今日はたっぷりと、好い想いをさせてやるからな」
そう云って御島は目を細く眇めて、軽く舌なめずりして見せた。
御島の表情に背筋が震えて、まるで期待するように、身体の芯が熱くなる。
僕が恐る恐る頷くよりも早く、御島の唇が重なって来た。
舌で唇をじっくりと舐めながら、御島は乳頭へと指を這わせて、そこを指で捏ね回す。
「ふ…っん、…ぅ…は…っぁ、あ、」
乳頭を指で挟んで転がされ、差し込まれた舌に口腔を探られて深く貪られると、じっとしていられない程の快感が押し寄せて来る。
御島の片手が、内股の辺りを緩やかに撫で上げて来るものだから、堪らない。
ぞくぞくして思わず腰を捩ると、御島は察したように喉奥で笑って、ゆっくりと口腔から舌を抜き去った。
濡れた唇を一度舐めた御島は、僕の上体を起こしてから直ぐに身体をずらし、僕自身へと顔を近付ける。
「鈴、もう溢れて来てるぜ」
「はっ…や、ぁ……ん…っ」
透明なそれを指で掬うようにして先端をなぞられ、それだけで僕は羞恥に身悶えた。
否定するようにかぶりを振ったけれど、敏感な自身に舌を這わせられると、それすらも出来なくなる。
熱い口腔の感覚に身体が震えて、甘い疼きが走ったのとほぼ同時に、御島は深くそこを咥え込んで来た。
「あっ…く、ん…んッ…」
与えられる刺激の強さに、僕は縋るように御島の髪を握った。
眉根を寄せて目を瞑ると、きつく吸い上げられて、身体がびくびくと跳ねる。
快感は強いのに身体の奥の方がひどく疼いて、そこをどうにかして欲しくて
咄嗟に御島を呼んだ瞬間、蕾にひんやりとしたものが触れるのを感じた。
それは普段感じるもので、うっすらと目を開くと、潤滑液の入ったボトルの蓋を慣れたように、器用に片手で閉める姿が映る。
御島はボトルを無造作にシーツの上へ放って、蕾に当てていた指を、ゆっくりと侵入させて来た。
指が奥へ入り込んで来る感触に、僕は大きな嬌声を上げないようにと、再び目を瞑る。
けれど直ぐに指を増やされて内壁を掻き回され、目を閉じていても、強い快感で涙は溢れてしまう。
奥を思い切り突かれ、それと同時に自身もきつく吸い上げられると僕は堪らずに、声を上げて呆気なく達した。
僕の放ったものを飲み干した御島は、いつものようにそこをもう一度きつく吸ってから、ゆっくりと顔を上げた。
だけど彼の指は抜かれる事無く、卑猥な水音を響かせながら、内部で蠢き続ける。
「ああ…んっ、や、ああ…っあ…ッ…!」
休む間も無く責め立てられ、僕は何度も首を横に振った。
すると、普段ならそんな僕を楽しんで指を抜こうとしない御島は珍しく、いきなり指を抜いた。
彼は上体を起こしていた僕の身体を押し倒して、再びシーツの上へと沈ませる。
「くろ…がね、さ…、」
どうしたのかと考えて息を弾ませながら相手を呼ぶと、御島はワイシャツを脱ぎ捨てて半裸になり、潤滑液が入ったボトルを再び手にして蓋を開けた。
「可愛いな、鈴。可愛くて堪らねぇよ……何もかも、喰い尽くしてやりてぇ」
普段と違う、何処と無く切羽詰まったような御島は、苛立ったように舌打ちを零した。
喰い尽くすとは何かと不思議に思っていると、彼はズボンの前を開いて
僕のよりも数倍は大きい――――既に勃ち上がっている、猛々しく赤黒いものを取り出した。
目にしたそれの雄々しさに思わずひっと悲鳴を零して、僕は逃げるように少しだけ身体を上へずらす。
「く、黒鐡さん…まさか、」
「いい加減、限界なんだよ。おまえが気付くまで耐えたんだぜ、」
「む…無理ですっ、そんな…そんなの入る訳が…っ」
「挿れてみれば、分かるだろ」
御島の言葉に血の気が引いて、僕は慌ててかぶりを振った。
覆い被さって来た御島の威圧感に身体を震わせて逃げようと動くが、それよりも早く強い力で腰を掴まれて、逃げようにも逃げられない。
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