Sweet Valentine Night…11
(うぅ…なんでこんな、立派なもの持ってるんだろ…)
半ば困り果てたようにそう考え、葵は口を開けて先端を含み始めた。
深くまで咥え込もうと試みるが、根元まで含まない内に、先端が喉奥に当たる。
彰人の大きさを身に染みて実感した葵は、少しばかり冷や汗を垂らし、頭を上下に揺らして抽挿を始めた。
「ふ…っ、んン…」
苦しげに眉を寄せながらも、精一杯含める所まで咥え込み、舌を絡めて必死で愛撫する。
巧過ぎる、とは残念ながら云えないが、懸命に奉仕するその姿が愛おしく思え、
欲を煽られる葵の表情に彰人の興奮は更に高まった。
「んぅ…、はぁ、ふ…っ」
口の中で更に大きさを増した雄に葵は驚くものの、愛撫を止める事は無い。
ジュプジュプと卑猥な水音を立てながら何度も抽挿を行い、咥え込めない部分は手で擦り上げる。
そんな葵の頭へと手を伸ばし、彰人はゆっくりと優しく、愛おしそうに撫でてやった。
彰人の行為があまりにも嬉し過ぎて、葵は幸せそうに顔を赤らめて眼を細め、愛撫を続ける。
「……葵、腰を上げなさい」
掛けられた言葉に、いきなりどうしたのかと考えながらも、葵は素直に云われるままにする。
少し恥らいながらも双丘を高く上げ、彰人はそれを確認すると
上体を少し曲げて、葵の背面に覆い被さる形になった。
頭を撫でていた手を離し、シャツの裾を捲くり上げて双丘を露わにさせ、
片手に隠すように持っていた小瓶の蓋をゆっくりと開ける。
中の液体を指に絡めると、葵の蕾へその指を這わした。
「んんっ!?ぁ、きと…なに?」
蕾に触れた冷たい感触に驚き、雄を口から離して葵は少し怯えた様子で問う。
「安心しなさい、ただの潤滑液だ。……少し催淫効果も含まれているが、な。」
「えっ、ちょっと、待っ…ひッ」
葵の制止も聞かず、彰人は中指をゆっくりと侵入させてゆく。
異物感を不快には思わず、むしろゾクゾクする程気持ちが好いと感じるのは
大分慣れてしまっているからだろうと思いながら、葵は雄の前で甘く吐息を漏らす。
液体を塗り込むように内壁を何度も擦られ、丁寧に優しく中を掻き回されると、葵の腰は無意識に揺れ動いた。
「ぁ…あ、ぅっん…ッ!」
刺激に耐えるように足や腰を震わせて啼いている姿が、扇情的に感じる。
少し虐めてみたい気にもなり、彰人は指を深く潜り込ませながら、薄く口を開く。
「葵、口が留守になっているぞ?それでは私を満足させる事など、出来無いな…」
意地の悪い言葉を吐くと葵は慌てたように、唾液と蜜で濡れている雄を再度口に含む。
頬を窄めてきつく吸い上げ、じっくりと裏筋を舐めると、彰人は満足そうに吐息を短く零した。
「巧くなったものだな…」
感嘆とも呼べる物言いに、葵はあまりの幸福感からか、一瞬だけ頭の中が真っ白になる。
指を増やされて中を攻め立てられ、更に深く指を埋め込まれると、誘うように葵の腰はくねった。
「ん、ん…ッ!はぁ、ん…ふ…っ」
双丘を片手で緩やかに揉みしだかれ、もう片手ではクチュクチュと
イヤラシイ音を立てながら指を抜き差しされ、葵は甘い愉悦に包まれる。
彰人の雄を愛撫する事も忘れ、シーツを握り締めて眼を閉じ、鼻に掛かったような甘い声を上げながら快楽に溺れた。
「彰、人…、何か…熱い…っ」
雄から口を離して息を乱しながら訴える葵に、彰人は喉奥で笑うだけで、何も言葉を返さない。
薬が効き始めて来た所為で、身体の奥が熱くて仕方が無く、
芯からひどく疼くようなこの感覚を葵はどうにかして欲しいと願う。
縋るように何度か彰人を呼ぶが、相手は何も云わず、今まで焦らすように
避けていた部分を唐突に二本の指で強く擦り上げて来た。
「や…あぁ…ッ!」
甘く濡れた声が響き、強い刺激に耐えられず、前を刺激されないままで吐精する。
濃い絶頂感に意識が飛びそうになったが、そこをもう一度突かれ、葵の身体はビクビクと跳ねた。
達したばかりではその刺激はあまりにも辛く、葵は涙を零しながらかぶりを振る。
「…ねが、も…意地悪、しないで…」
息を乱しながら弱々しい声で哀願されると、彰人は喉奥で笑う。
ゆっくりと指を抜き去ると、葵の身体はヒクン…と切なげに震えた。
「また勝手に、達ってしまったな」
「だ、だって、彰人があんな…気持ち好いコト、するから…」
彰人の少し冷ややかな物言いに一瞬不安になるが、自分で口にした言葉に
先程の快楽が思い出され、葵は更に熱を上げてしまう。
一度達しても楽にならず、奥はまだ焼けるように疼いて、堪らない。
その感覚に耐えるように、葵は微かに俯いた。
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