此方を見下ろして来る彰人の姿に、胸が苦しい程高鳴り、期待感に葵の身体の奥は強く疼いた。
　彰人は猛った雄を葵の蕾へ当てがうが、直ぐに侵入せず、
　期待するようにヒクついている入り口を、じっくりと眺める。
　それ所か先程中に出した白濁が流れ出て、眼にした光景は、ひどくいやらしい。

「やだ…彰人、見ないで…っ」
　流れ出る感覚が自分でも分かり、そこに熱い視線を感じて、葵は羞恥に悶える。
　耳元まで顔を赤らめ、恥じらうように両手で顔を隠す姿に、彰人の喉元がゴクリと鳴った。
「葵、お前は本当に…私を煽るのが上手いな」
「っあ、ぁあ―…ッ」
　当てがったソレを一気に奥まで侵入させると、高い悲鳴じみた声が上がった。
　苦痛を与えてしまったかと彰人は内心焦り、少し腰を引いて
　葵の顔を見遣るが、手が退かされたその表情は快楽に染まり、煽情的に見える。

「葵…大丈夫か、」
　優しい声音で尋ねるが、葵は答えずに首へ腕を回して、きつくしがみついて来た。
　彰人がいる中が熱く、一気に奥まで突かれた箇所が、痺れるように疼く。
「はぁ、ぁ…彰人、もっと…」
　濡れた唇から零れた言葉に、彰人は一瞬だけ片眉を上げ、満足気そうに眼を細めた。
　ゆっくりと腰を動かして内壁を擦り始め、徐々に速度を上げてゆく。
　身体の奥から熱く震えるような、芯が溶けるような快感に、葵の眼から涙が零れる。
「ん、んぁっ…ぁあッ…！」
　熱く逞しいもので内壁を押し広げられ、甘い疼きを残して引いてゆく。
　それを繰り返され、好い箇所を執拗に責められて葵の全身が汗ばむ。
「あッ…あっ、ゃっ…大きい、苦し…ッ」
　奥を貫いて来る熱い塊が更に大きさを増して、律動を繰り返す。
　圧迫感が強まり、乱れた息の合間に訴えるが、葵の表情には苦痛の色は見当たらない。
　紅潮した頬に涙が伝い、彰人はそれを舐め取りながら葵の中を荒々しく突き上げ、息を荒げる。
「こんなにも興奮するのは、お前にだけだよ…葵、」
　葵の口元で囁くと、柔らかなその唇を奪う。
　甘噛みし、舌で舐り、きつく吸い上げると、葵は更にきつくしがみついて来る。

「んぅっん…ッふ…、んぁ…っ」
　グチュグチュと結合部から響く濡れた音が互いの情欲を煽り、
　掻き立てられた彰人は、角度を変えて激しく葵を責め立てる。
　葵の性器は二人の腹部に挟まれるようにして擦られ、葵は狂おしいほどの快楽に襲われた。
「アァ…ッ！ん…ゃっ、彰…人、気持ち、イ…ッ」
　喉元を仰け反らせ、口端から唾液を伝わせながら告げる葵に、彰人は魅入った。
　食い入るように葵を見つめながらも動きは止めず、知り尽くした好い箇所を猛々しい雄で何度も抉る。
　熱く絡みついて来る内壁の感覚に彰人は低い呻きを零し、キツイ締め付けに眉根を寄せた。

「葵、…ッ…すごく好いぞ…」
　耳元で吐息混じりに、満足気に囁かれると、葵は嬉しそうに何度も頷く。
　彰人が感じていると云う事だけで、葵は幸せで胸の奥が熱く、とろけてしまいそうな感覚に包まれた。
「ゃっ…ぁ、きと…も、出ちゃう…っ」
　強まる射精感に耐えるように眼を瞑るが、高みに駆け上がってゆく感覚が
　堪らなく気持ち好すぎて、耐えられそうに無い。

「いつもながら、早いな」
「――ッぁ、ああぁ…ッ」
　揶揄しながら手を動かして乳頭を軽く抓り、腰をグラインドさせて
　打ち付けると葵は掠れた甘い声音を上げ、絶頂に達した。
　額に汗を浮かばせながら幾度か痙攣を繰り返し、熱く呼吸を乱している葵の姿に、彰人の情欲は更に煽られる。

「ひっ、やあ…あっ…！」
　まだ痙攣が治まっていない内に奥を貫かれ、葵の身体がビクビクと跳ねる。
　濃過ぎる快楽の連続に目の前が白くなり、葵は何度かかぶりを振った。
　けれど彰人は緩やかに律動を刻み続け、動きを止める事も、猛った雄を抜く事もしない。

13　/　15