Sweet Valentine Night…09
強めに抓られても痛みは無く、むしろ甘い疼きを感じた葵は
ゾクゾクとした心地の好い寒気が、身体中を駆けてゆくのを感じた。
「どう云う意味だろうな?じっくりと考えなさい、」
「あ、ぁ…んっ、や…無理…っ」
耳元で揶揄するように囁かれ、その上既に固くなっていた乳頭を
指でこね回されては、考えられる余裕など無くなってしまう。
かぶりを振り、無理だと告げても彰人の指は、転がすように乳頭を弄ぶ。
「や…父さ……も、挿れて…」
弱い箇所を巧みに刺激されて脆い理性が崩れ、余裕無く欲求を口にした葵に、彰人の眉が少しばかり寄る。
「早急だな。少し、せっかち過ぎるんじゃないか?」
「だって朝、してないし…あっ、ぁ…あッ」
性器を唐突に、布越しに撫でられてしまい、吐息と共に甘い声が上がる。
膨らみを何度も執拗に撫でられて揉み込まれ、堪らずに葵は彰人の手に擦り付けるように、自ら腰を動かし始めた。
その様子に彰人はクスクスと笑い、葵の耳朶を緩く噛む。
「葵、このままでは制服が汚れてしまうぞ。…いいのか?」
掛けられた問いに我に返った葵は、一瞬躊躇った後、彰人の首に絡ませていた手を離す。
自ら脱ぐ事に少々恥じらいを感じるものの、ベルトに手を掛けて外し、
ジッパーも下げて前を開くと勢いが付いたようにズボンを脱ぎ、下着も脱ぎ去った。
「自分から脱いで誘われるのも、たまには良いものだな」
観賞するように見つめられ、掛けられた言葉に葵の身体は更に熱を上げる。
云われて見れば、自分から脱いで誘うよりも、彰人が脱がせてくれる方が多い。
だが裏を返せば、自ら脱いで誘う程に急いているのだと分かり、葵は自分の抑制の無さを恥ずかしく感じていた。
「あんまり、恥ずかしくなるような事、云わないで…」
靴下も脱いだ葵は、視線を少し逸らしながら言葉を放つ。
だが直ぐに視線を戻し、スーツの上着も脱がず、ネクタイすら緩めていない彰人を少々不満気に思う。
反対に自分は、前の開かれたシャツだけを身に纏っていて、それが更に羞恥を強める。
「仕方ないだろう?恥じらうお前が無性に可愛いからな」
臆面も無くそう云われ、流石に葵は言葉を返せず、目元を赤らめて再度視線を逸らす。
もっと余裕が有るように色々な言葉を返したいのだが、
魅力的なこの男を前にすると、そんな余裕など皆無に等しくなる。
学園の生徒や教員、彰人以外の人間なら、いくらでも演技をして
騙せると云うのに、彰人には何時も振り回されてばかりだ。
やはりそれは自分が子供なのか、それとも彰人が普通の人間より
一枚も二枚も上手なのか……葵には、良く分からない。
後者の方が何となく、正解のような気がすると考えていた矢先に、小ぶりな性器へ綺麗な指を絡められてしまう。
「こんな時に、考え事か?まだ余裕みたいだな…葵も随分、成長したものだ」
「ぁっ、違…んン…ふ…っ」
揉むように性器を扱かれ、その手が上下する度に、クチュクチュと淫らな音が響く。
強弱をつけて擦られると息は熱く弾み、葵の腰はまるで誘うように揺れ始めた。
目元を赤らめ、陶酔している葵の表情を、彰人は眼を細めながらじっくりと眺める。
彰人の視線を痛い程に感じ、葵は更に熱を上げてしがみつくように、彰人の身体へと抱き付いた。
敏感な亀頭を指で擦られ、一気に高みに昇り掛けた瞬間、彰人の手がピタリと止まる。
「ゃ…、何で…?」
切なげに身体を震わせ、葵は責めるように彰人を睨むが、
眉は悩ましげに寄り、濡れた瞳や赤らんだ顔の所為で迫力など皆無に等しい。
むしろ欲望を掻き立てられた彰人は、指で軽く、葵の性器をなぞってやる。
「はぁ、あ…、や…焦らさないで…」
それだけでも腰に甘い疼きが走り、葵は甘く縋るような声を響かせ、
彰人の手へ性器を擦り付けるように腰を揺らす。
その媚態に欲情を煽られた彰人は軽く息を吐き、葵の耳元へ唇を寄せる。
「……手だけで、足りるのか?」
低い声色で囁くように尋ねると葵は直ぐにかぶりを振り、縋り付くような眼差しを向けて来た。
「彰、人…彰人の、舌で…イかせて…」
赤面し、けれど彰人の眼を見据えながら懇願して来る様は、興奮を高めるには十分なものだ。
直ぐに身体をずらすが、濡れた性器を一度じっくりと眺め、彰人はクスッと甘く笑う。
「こんなに濡らして…舐めて欲しいと云っているようなものだな、」
言葉で嬲られても反論出来る余裕は無く、葵は腰を動かして性器を彰人の口元へと押し付けた。
急くようなその態度を可愛らしく思いながら、望み通りに彰人は葵の性器を口に含んでやる。
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