「そう急ぐな、明日も有るんだ。今日はゆっくりと、愉しませて貰うよ…」
　形の良い、男らしい彼の唇がうっすらと開いて、彰人が口の中で軽く、微かに舌なめずりしているのが分かった。
　まるでこれから獲物に喰らい付こうとしている獣みたいで、
　熱い眼差しで見つめられて、ゾクゾクしてしまう。
「で、でも…僕だってたまには、彰人を満足させてあげたいよ」
「満足？何を言っているんだお前は…そんなもの、いつでもしている」
「え…」
　驚く僕を放って、彰人の手がするりと太腿を撫で上げる。
　その感触に小さく鳴いてしまい、身体はビクン…と震えてしまう。
「お前は最高だ…満足出来ずに、いられる訳が無い…」
「ゃ、ぁ…ッ」
　太腿を撫でていた手が上がって来て、僕の性器を握り込む。
　その甘い刺激に身体が疼き出して、堪らない。
　彰人の手が、僕の小ぶりな性器を包んで、しかもその手を動かして…
　次第に浴衣の中からクチュクチュとイヤラシイ水音が聞こえて来る。
「凄いな…もうこんなに濡れている」
「んぅ、ぁ…ゃ…ッ、ねぇ…」
　耳朶を甘噛みされてゾクゾクと快感の寒気が走り、堪らずに僕は彰人の浴衣を掴んだ。
　ちゃんとして欲しい…って伝えるように彰人を見つめると、彼は愉しそうに喉の奥で笑う。
「仕様が無い子だ…かわいいよ」
「ぁ、あ…っ」
　甘く囁かれ、やんわりと耳朶を咬まれて、ゾクリと背筋が震えてしまう。
　力が上手く入らない自分の手で、浴衣の帯をゆっくりと解き、唇を薄く開いた。

「彰人、早く…」
　おずおずと両足を開いて、羞恥を感じながらもねだった。
　満足そうに目を細めながら彰人に見つめられると、身体は熱を上げて、更に興奮してしまう訳で…。
「お願…っ」
　切羽詰ったように彰人の片手を掴んで、その綺麗で男らしい指に舌を這わせる。
　口外に舌を出して丁寧に彰人の指を舐めていると、彼の視線が集中するのが分かった。
　まるで視姦するようにじっくりと見つめられ、舐め回すようなその視線に、身体の奥が疼いてしまう。
「葵…」
「ぁ…ッ」
　気を抜くとクラクラ来るような、甘く魅力的な低い声で名前を呼ばれ、
　まだ慣らしてもいない蕾へと彰人の熱い塊が押し付けられる。
　あの社長室での出来事を思い出してしまい、思わず身体を震わせて
　不安そうな顔をする僕の頭を、まるで宥めるように彰人は優しく撫でてくれる。
「安心しなさい…もうあんな無理はしない。」
　それはそれで残念かも…とか思っちゃう僕って、立派にマゾの道進んでるのかな…。
　自分の性癖に悩んでいると、彰人の逞しいソレが、僕の内股や蕾を淫らに撫でて来る。
　その感触にすら感じちゃって、体中が我慢出来ずに疼く僕って……やっぱり、淫乱？
「ゃっぁ、ぁあ…ッ」
　油断していると、僕の唾液がたっぷりとついた彰人の指が、一気に2本入り込んで来た。
　深く入り込んで来る指の感触が気持ち良くて、ゾクゾクする。
　彼の器用な指が、僕の泣き所を撫でると、目が眩むような快感が襲う。
　それと同時に、我慢なんて出来無い訳で。
　早く…早く…なんて、僕は淫らにせっついてしまう。

「まだ2本だ…今挿れたら、お前が痛い想いをするだろう？」
　優しく宥められても、今の僕は何だか早く彰人と繋がりたくて……
　彼の優しさが余計に僕を煽って、嫌々と首を振った。
「ゃだ…早く…ッ、もう…我慢出来無いよぉ…」
「なら、遠慮無く…」
「えっ…、ゃ…嘘っ」
　今度はやけにあっさりとした彰人の態度に、自分から求めた癖に焦ってしまう。
　指をゆっくりと抜かれて、彰人の熱い雄の先端が蕾の入口に当てられた。
　その感触に鼓動は高鳴り、手を伸ばして彰人の首へと抱き付く。
「んゃ…ッぁ、ぅ…うっ」
　グイグイと遠慮無く内壁を押し分けて、侵入して来る彰人の凄いモノの感触に、身体が強張る。
　社長室の時よりかは痛みは酷く無いけれど、やっぱり彰人のは大き過ぎるから、かなり辛い。
　先端だけを埋め込んで、彰人は一度挿入を中断した。
　無理に入り込んで来る事はしないで、僕が少し慣れるのを待っていてくれる彰人は、やっぱり優しい。

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