the mating season…12
「ッ…凄いな、……キツ過ぎる」
奥まで侵入すると、彰人は一度動きを止め、満足気な声を漏らした。
吐息交じりにそんな言葉を囁かれたら、彰人に夢中な僕なんて、イチコロな訳で。
「それに、いつもより熱い…」
クク…と低い笑い声を漏らす彰人が、あまりにも魅力的で……僕は自分からゆっくりと、腰を揺らしてしまう。
「葵、そんなに乱れていいのか?……外に居る鳴瀬達に聞かれてしまうぞ、」
愉しそうに囁く彰人の言葉に、一瞬で我に返り、腰の動きを止める。
信じられない、と云った表情で相手を見上げるけれど、彰人はさして気にも止めていない様子だ。
「ま、待って…やっぱり駄目、抜いて…っ」
めちゃくちゃ感じてる顔をしてる癖に、よく云うよって、自分で自分にツッコミを入れたい。
焦りながらも腰を引いて抜こうとするのに、彰人はそれを許してはくれず、
僕の腰を掴んで固定しながら、ゆっくりと抽挿を始めた。
彰人の片手でリボンタイを外され、シャツの釦も外され、あっという間に前を開かされる。
「ぁっ…あっぁ、んぅ…ンっ!…っめ、だめぇ…っ」
必死で僕の中では理性と欲望が戦っているけれど、鳴瀬の媚薬効果が効いている状態では、直ぐに理性が敗れそうだ。
「もう腰が揺れている癖に、何が駄目なのか…教えて貰いたいな、」
耳元でクスクス笑いながらそう囁くと、彰人は動きを止めてしまう。
そうなると、嫌でも自分の腰が揺れている事が分かってしまい、更に熱が上がる。
「おまえの淫らな声を耳にして……あの二人が、おまえが淫乱で、はしたない子だと思い込んでしまうぞ。ほら、葵…どうするんだ?」
「ふ…ぁっあ…ッ!」
彰人の囁きにすらゾクゾクして、それ所か、聞かれてしまうかも知れないと云う事に、
普段と違って激しく興奮してしまう自分が居たりする。
微かに揺れていた腰は更に大きく揺れ始めるし、射精感は強まるしで、もう止まらない。
理性が、敗北しちゃいましたってカンジだ。
「も、もう駄目ぇ…出ちゃ…っ、アッ、ァ、ゃぁあ…ッ…!」
切なそうな声に続いて、高い嬌声が室内に響いて、そのまま呆気なく吐精してしまう。
シャツの前を開かされたお陰で、服に精液は付着しなかったものの……
自分の腹部には、いやらしい液体が飛び散ってしまっている。
羞恥を感じながらも、ヒクンヒクンと切なげに震えている身体を休ませる間も無く、
自分から再度腰を揺らし続けちゃう僕には、もう理性なんて欠片も無い。
「…凄い乱れようだな、」
イッたばかりで敏感な身体を震わせながら、腰を揺らし続ける僕を、彰人は見下ろしながらそう囁くだけで。
「ん、ゃっ…も、動いて…ッ、ぁっあ…ッん、彰人…彰、人…ッ」
理性なんて既に無くなってしまっている僕は腰を揺らし続け、
何度も浅い抽挿を繰り返すものの、もっと激しい快感を求めてしまう。
甘えるような言葉を吐いて必死でねだる僕を、彰人は目を細めながら、満足そうに見下ろしていて。
そんな彰人と目が合った瞬間、僕は首を嫌々と振り、無意識に唇を薄く開く。
「っねが、お願…い、激しく…してぇ…っ」
「……仕様の無い子だ、」
はしたない台詞を夢中で吐いて、泣きじゃくりながら彰人に縋りついた。
いつもみたいに焦らすこともせず、彰人は優しい声で答えると、
慣らすように腰を緩やかに動かし始め、けれど直ぐにそれは激しいものに変化してゆく。
「あっぁぅ…んっあぁ…ッ!」
粘膜を押し広げるように奥まで強引に突き上げ、甘い疼きを強めながら
引いていく彰人の、雄々しく熱いソレの感触と動きに、目が眩む。
すぐにでもイッちゃいそうなのに、彰人の意地悪な手が、僕の性器の根元を締め付けている所為で達せない。
鳴き声が漏れる唇から、自分の唾液が伝い落ちるのを感じたけれど、もう何も考えられない。
「……好い顔だ、葵。……堪らない、」
大きく腰を動かし、巧みにグラインドして、的確に僕の泣き所を刺激しながら彰人が甘く囁く。
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