the mating season…13

 接合部が燃えるように熱くて、塞き止められている所為も有ってか、変になっちゃいそうなぐらいに気持ち好い。
「やぁ…っあ、ぁッあン…んっ、しん…じゃ、死んじゃう…ッ」
「それは困るな、」
 吐息混じりに彰人は低い声で囁く癖に、僕の性器はまだ塞き止めたままで。
 敏感な先端を撫でられ、腰を打ち付けられ、微妙に角度を変えられて
 好い箇所を突かれ……つい快感で頭を振り乱してしまう僕を、彼は満足気に見下ろしている。

「ぅ…あっァ…ッ!ゃ…も、許してっ…イかせて…ッ!」
 我慢なんて出来無いぐらいに、イキたくて仕方ない。
 必死で縋り付いて、涙を零しながら哀願し、それでも自ら腰を振る事は止めない自分のはしたなさが恥ずかしい。
「仕方ないな、本当にいやらしい子だ。…………かわいいよ、」
 ゾクゾクするほど、甘くて低い声で囁かれて無意識に、内の彰人を締め付けてしまう。
 すると中の熱く雄々しいソレは、更に大きくなって硬さを増した。
 驚く間も無く、逞しい雄で内側から勢い良く押し広げられ、
 塞き止めていた性器を解放されて……目の前が、真っ白になる。

「ぁっあ…彰…、やぁ…ッあ、あぁ…あ――…ッ!」
 悲鳴のような、煩い程の高い声を上げて腰を痙攣させ、絶頂に追い上げられる。
 ヒクンヒクンと身体が切なげに震え、内部に熱い迸りが放たれるのを感じながら、
 そのままぐったりと脱力して、僕は気を失ってしまった。



「ぅ…ん、…ん…?」
 目をうっすらと開けた僕の視界に入って来たものは、薄暗い天井だった。
 見れば僕は、制服のブレザーとベスト、靴所か靴下も脱がされていて、
 シャツとズボンだけの楽な格好でベッドの上に寝かされている。
 何となく見覚えのある天井を暫くボーっとしながら見つめていると、ドアの開かれる音が聞こえた。
「起きたか。身体の具合はどうだ、」
「…え?」
 彰人の声が室内に響くけれど、その言葉の意味が上手く頭に入って来ない。
 不思議そうに首を傾げる僕の元へ、彰人は室内の電気を点けてから、無駄の無い動きで近付いて……
 明るくなった室内の眩しさに、目を細める僕の額へ、急に柔らかいタオルを押し付けて来た。
「な、なに?」
「じっとしていろ…」
 起き上がろうとした僕の肩を軽く抑えながら、低い声で囁いて来て、その声にドキリとする。
 タオルで僕の額を丁寧に拭いている姿をまじまじと見つめ、やっと汗を拭き取って貰っている事に気付いた。
「彰人、ここって…仮眠室だよね?何で僕、ここに?」
 汗を拭き取ってくれる彰人の、優しい行動に半ばうっとりとしながら、不思議そうに尋ねる。
 どうして僕が此処にいるのか理解出来ず、返答を求めるように
 相手を見上げると、彰人は呆れたような溜め息を漏らした。
「あの後、気を失ってしまったのは……どこの子かな?」
 口元にうっすらと笑みを浮かべて、甘い口調で囁くものだから…
 頭の中では、彰人に貫かれて死んじゃうとまで云った自分の姿が、グルグルと回り始めてしまう訳で。
 カァッと熱が上がり、赤らんでしまった顔を反らそうとするけれど、直ぐに顎を掴まれてしまう。
「気絶する程、好かったのか?」
 揶揄するようにクスクスと笑いながら尋ねられ、更に熱は上がる。
 恥ずかしくても顔は反らせないし、視線を逸らしても、彰人が僕を見ていることは
 痛い程分かってしまうから、恥ずかしい。

「どうなんだ、葵。……答えなさい、」
 別に答えなくてもいい、と雰囲気が云っている。
 けれど僕はそろそろと視線を戻し、彰人の目をじっと見つめてから頷いた。
「…すっごく、気持ち好かった……」
 快楽を思い出し、ややうっとりしながら答える僕の頭を、彰人は優しく撫でて来る。
 それから、汗を拭いてくれた額へと唇を落とすものだから、その甘い行為に動悸が速まった。
「様子を見る限り…身体は元に戻ったようだな、」
 彰人の行為にうっとりと浸っていると、急に言葉を掛けられる。

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